高還元SESとフリーランス、どっちがお得?手取りとリスクを同じ単価で比べてみた
「どうせ単価に連動するなら、フリーランスになったほうが得では?」──高還元SESを検討していると、一度は考える疑問です。
結論から言うと、手取りだけならフリーランスが少し多いことが多いものの、差は思ったほど大きくありません。エージェントの手数料(マージン)が高めだったり、案件が途切れたりすると、高還元SESのほうが有利になることもよくあります。
同じ単価70万円で比べると
月額単価70万円の案件に、1年間続けて参画した場合の目安です(独身・扶養なし、東京都在住を想定)。
| 高還元SES(社保込み80%) | 高還元SES(社保は別80%) | フリーランス(マージン10%) | フリーランス(マージン20%) | |
|---|---|---|---|---|
| 年間の収入(額面・売上) | 約580万円 | 約672万円 | 約756万円 | 約672万円 |
| 社会保険料(本人負担) | 約86万円 | 約99万円 | 約92万円(国保・国民年金) | 約83万円 |
| 税金・経費など | 約47万円 | 約60万円 | 約165万円 | 約137万円 |
| 手取りの目安 | 約448万円 | 約513万円 | 約499万円 | 約452万円 |
※ 高還元SESの金額は当サイトの年収シミュレーションで計算しています。フリーランスは、経費を年30万円、青色申告特別控除65万円とし、国民健康保険(東京23区の料率)、国民年金、所得税、住民税、個人事業税を差し引いた概算です。消費税はここでは含めていません。
この表から、次の3つのことがわかります。
- 「社保は別」で80%の高還元SESは、マージン10%のフリーランスと同じくらいの手取りになります。
- フリーランスでもエージェントのマージンが20%あると、「社保込み80%」の高還元SESとほぼ同じです。
- 高還元SESのなかでも、数え方(社保込みか別か)の違いのほうが、正社員かフリーランスかの違いより大きいことがあります。
手取り以外の大きな違い
| 高還元SES(正社員) | フリーランス | |
|---|---|---|
| 案件が途切れたとき | 待機中も給与が出る会社が多い(待機保障ありで絞り込めます) | 収入はゼロ |
| 将来の年金 | 厚生年金(会社が半分を負担) | 国民年金のみ(自分で上乗せが必要) |
| 有給休暇 | あり | なし(休めばその分収入が減る) |
| 確定申告・経理 | 不要(会社が年末調整) | 必要。インボイス登録をすると消費税の納税も |
| ローン・賃貸の審査 | 通りやすい | 開業直後は通りにくいことがある |
| 案件の選び方 | 案件選択制の会社なら自分で選べる | 自分で選べる(営業も自分かエージェント) |
特に見落としやすいのが消費税です。取引先からインボイス(適格請求書)の登録を求められることが多く、登録すると売上にかかる消費税を納める必要があります。特例が使える期間を過ぎると、手取りが年に数十万円減ることもあります。
フリーランスが向いている人
- 単価が高く(目安として月80万円以上)、案件が途切れない自信がある
- 手数料の低いエージェントや、直接契約できる取引先がある
- 確定申告や経理を自分でこなせる、または税理士に頼める
- 収入が不安定な時期があっても、生活費の蓄えがある
高還元SESが向いている人
- 単価に見合った収入はほしいが、収入が途切れるリスクは避けたい
- 会社の厚生年金や有給休暇などの「会社員の守り」を手放したくない
- 案件探しや契約・請求の手続きは会社に任せたい
- いずれフリーランスになるかもしれないが、まずは単価や市場価値を知りたい
高還元SESは、「フリーランスに近い収入を、会社員の安定を保ったまま得る」働き方だと言えます。ただし、その良さを得られるかどうかは、還元率の数え方と待機中の給与保障しだいです。会社を選ぶときは、この2つを必ず確認しましょう。
当サイトの高還元SES企業一覧では、還元率の下に「社保込み/社保は別」「交通費込み/交通費は別」を表示し、待機中の給与保障がある会社で絞り込むこともできます。